【カメテン】カメラ修理 カメラ内面反射防止フォーム(モルト)張替え 中古品に付加価値をつける
こんにちは。
今日は、ちょっとしたクリーニングや修理でカメラの価値を劇的に上げる方法をシェアします。
あわせて、私が実際に使用しているお役たちツールをご紹介しますね。
〇ちょっとした修理やメンテナンスで中古品に付加価値をつける
ヤフオクなどで中古品のカメラを仕入れた場合、
磨けば光る一品に出会う事があります。
一見埃まみれで価値がないように見えますが、
ちょっとしたメンテナンスや修理で見違えるような美品に変化させることが可能です。
このちょっとしたひと手間を加えることで、利益が大きく変わりますし、
なによりバイヤーさん喜んでもらえます。
修理といってもとても簡単ですよ。
クラッシックカメラカメラの修理と思うと、面倒に感じるかもしれませんが、
少年時代に、ラジコン、ガンプラ、ミニ四駆、Nゲージなどで、
模型作りや、工作にハマった人であれば、全然とっつき易いでしょう。
また、女子の方でも手芸やネイルアートをされている方であれば、いけると思います。
<主なクリーニング、簡単な修理>
・ボディを無水アルコールで拭く。
・レンズをクリーナーでクリーニングする。
・稼働部分に注油する。
といった簡単なクリーニングから、
・皮の張替え。
・ カメラ内面反射防止フォーム(モルト/遮光スポンジ)の張替え。
といった、ちょっとした修理なら
DIYの範囲内でも十分作業可能です。
■ カメラ内面反射防止フォームの張替え方
今回のサンプルは、マミヤのCシリーズという2眼レフカメラで半世紀以上前のカメラです。ジャンクとしてヤフオクに出品されていたので、格安で落札しました。
手元に届いたカメラを検品してみたら、
・ボディきれい
・レンズにキズ、クモリ、カビなし
・シャッターも全速度ばっちり切れる
という、素晴らしい個体でした。
出品者の方は、古いカメラなので、あまり良く分からない為、
ジャンクとして出品されていたんですね。
ただ一点残念だったのが、
フィルム室の「カメラ内面反射防止フォーム(光を遮る為の遮光スポンジ、以下モルト)」が劣化しており、
ボロボロと崩れ落ちる状態だったんです。
これは、古いカメラではよくある事ですね。
そのせいで、フィルム室は細かいモルトや粉にまみれた状態でした。
ちなみに、モルトというのは、英語だとLight Seal(ライトシール)といい、フィルム室に光が入らないようにする為の遮光スポンジですね。
素材的にはスポンジや毛糸で出来ており、古いカメラでは劣化してボロボロになっているものが多いです。
そこで、このカメラはモルトさえ張り替えてあげれば、バイヤーにとても喜んでもらえる美品になると思いましたので、モルトの張替えを実施しました。
〇モルト張替えに使用したツール一覧
ツールとしては以下の4つを使用しました。
・カメラ内面反射防止フォーム(モルト)
・カッター
・金属の定規
・カッターマット
それでは詳しく見ていきましょう。
・モルト
Japan Hobby Tool カメラ内面反射防止フォーム のり付き1.0ミリ JHT9541-1.0
※ カメラ内面反射防止フォームという名前の商品ですが、手に取ると分かりますが、裏に両面テープが付いた薄手のスポンジです。
おススメは1.5mmの厚さですね。あまりに厚手を選ぶとフィルム室の蓋が閉まらなくなりますので、要注意ですよ!
・モルトをまっすぐカットする為のアルミ製定規
シンワ測定 アルミ直尺 アル助 シャンパンゴールド 30cm 65417
※モルトをカッターでカットする際に使います。
ちなみに、モルトをハサミでカットする事はあまりおススメしません。スポンジなので、切り口がギザギザになってしまい仕上がりが美しくないからです。
その点、この定規は裏に滑り止めのスポンジがついてますので、扱い易いですね。
・カッター
オルファ(OLFA) ハイパーAL型 オートロック式大型カッター 193B
※このカッターはおススメです。
今までいろいろなカッターを使用してきましたが、一番切れ味が鋭く、剛性感があって使いやすいからです。
ブランドは信頼度が高いOLFA製で、替え刃はオルファ(OLFA) オルファカッター替刃(大) 50枚入 LB50Kがおススメです。
安いカッターは刃が横にぶれてしまってうまく切れませんが、このカッターは本体にラバーがあり、グリップした時に滑りにくいのもポイントが高いですね。
・カッターマット
オルファ(OLFA) カッターマットA3 (320x450x2mm) 135B
※こちらはOLFA製のカッターマットです。
カッターでモルトをカットする際、下敷きに段ボールや雑誌などを敷いて施工する事も出来なくはないのですが、出来ればカッターマットを用意しましょう。
適度に滑り止めになり、カットの際に均等に力がかけられるので、仕上がりが美しいです。また、1cm目盛りが付いているので、工作をする時に使いやすいです。
なお、モルトをカットするときのポイントはスポンジ側からカッターを入れるのではなく、シール側からカッターを入れるのがポイントです。
○モルトの交換方法
1.古いモルトの除去
※この時、金属でこじるのではなく、竹串や割り箸の先端をマイナスドライバーのように
薄く削り、古いモルトをこじるとポロポロと落ちてきます。
※残ったモルトは綿棒にアセトン(マニキュア除光液)を含ませて、除去。
※アセトンを使用する際は、十分換気して下さい。
シンナーのような臭いがして、長時間嗅ぐと、頭痛になったりします。
〇古いモルトを除去する際に使用したツール類
・ニトリル手袋
・アセトン(マニュキュア除光液。)
※ドラッグストアや100均でも購入可能ですが、私はAmazonで大量買いして、以下のような小瓶(ハンドラップ)に小分けして使用します。
・ハンドラップ(Japan Hobby Tool カメラメンテナンスツール 微量液体抽出ビン JHT9592)
ネイルサロンなどで利用されますが、コットンや綿棒をチョンチョンっと瓶の先の金属をプッシュすると、微量の液体を出す事が出来る便利な小瓶です。
これを使えば、液体を無駄遣いせずに済みますし、作業のたびに液体の瓶のふたを開け閉めする必要がなくなって、時短につながります。
・竹串(100均でゲットしましょう。キッチンコーナーにありますよ。)
・ピンセット(100均でゲットしましょう。コスメコーナーにありますよ。)
2.新しいモルトのカット。
・モルトに金属定規をあて、カッターで丁寧にカット。
※一気に切らず、カッターに軽く力を入れつつ、3−4回に分けて切れ目を入れていくときれいに切れます。
※裏面のシール側をカットして下さい。オモテ面からカットするとボロボロになります。
3.カットしたモルトをカメラに貼り付ける。
※このとき、綿棒にアルコールを浸し本体側の貼り付ける部分にトントンとアルコールをつけてあげると、モルトの位置修正をしながら貼り付ける事が出来ます。
・無水エタノール
※アルコール(無水エタノール)もクリーニングでよく使うので、瓶買いがおススメです。
いかがでしょう。時間にして慣れれば5−10分で作業です。
※このカメラは、モルトを張り替えた旨を紹介文(Description)に記載してとしバイヤーにとても満足してもらいました。
”The LightSeal is new”と記載すればOKです。
■中古品に付加価値をつけて販売、バイヤーに喜ばれ、利益もアップする
このように、中古カメラはちょっと一手間かける事で、その価値をアップさせる事が出来ます。
今回紹介したモルト交換はキレイに張替えるには多少の慣れは必要ですが、失敗しても何度でもやり直しがききます。
この作業は、ボディに傷がついたり、穴を開けたり、修復不可能になるようなクリティカルな作業ではありません。
中古カメラは一点ものですので、コンディションもそれぞれです。
そんな中、ほんのちょっとした手間で落札金額が5,000円、10,000円と変わってくる商品も結構あるんですね。
中古品に付加価値をつけて販売する事ができる。そして、自由な値付けが出来る。
これが中古カメラ販売の一つの醍醐味だと思います。
■まとめ
中古品販売は、付加価値をつける事で利益率を変えることが出来ます。
全部の商品で成立するわけではありませんが、一手間掛ける事で生まれ変わる商品も数多くあります。
商品の再利用と言う点で、エコに貢献してますし、付加価値をつけて、バイヤーにも喜ばれ、自分の利益もアップする。
カメラ自体に既に商品力があるので販売するだけでも楽しいですが、こういったDIY的なアプローチでカメラを販売できれば、楽しいですし仕入れの幅も広がりますよね。
PS
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