【転職経験談 番外編】【手順】未経験から社内SEになるための手順と必要なスキル

【転職経験談 番外編】【手順】未経験から社内SEになるための手順と必要なスキル

40代の平凡なエンジニアです。

都内の事業会社で社内SEをしています。
2022年の3月31日に退職して、4月1日からフリーランスエンジニアになることにしました。

自分は社員エンジニアからフリーランスエンジニアになることで、大幅な年収アップをすることができましたが、かなり遠回りをしてしまいました。

理由は20代のうちから、戦略的に自分のキャリアを組み立てなかったからです。

そこで、30代後半になり、何度か社内の管理職試験に落ちて以降、自分がエンジニアとして生き残るためにはどうしたら良いかを考える中で「わらしべ長者戦略」に出会い、実践しています。

この記事では、自分の経験を踏まえて、未経験から社内SEになるための手順と必要なスキルをご紹介します。何かのご参考になれば幸いです。

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社内SEとは?

・社内SEとは組織内の情報システム部門(情シス)に所属するエンジニアです。
・ヘルプデスク、社内システムの運用、コーポレートインフラの整備、セキュリティなどを担当します。

エンジニアのわらしべ長者戦略とは?

・前提:1年程度でそのPJTで得られる80%のスキルは身に付く
・そこで、1年程度で人材価値が上がりやすいスキルが身に付くPJTにどんどん参画する
・Web系エンジニアの例:LAMP環境の開発→クラウド基盤のフルスタックエンジニア→DevOpsエンジニア
・参考動画
>> Web系エンジニアにおけるわらしべ長者戦略とは

この記事の内容

  • 社内SEの業務内容(ざっくり)
  • 社内SEに必要なスキルとは?
  • 未経験から社内SEになるための手順

社内SEの業務内容(ざっくり)


まずは業務内容をご紹介します。ざっくりした社内SEの業務内容は以下の通りです。

  • ヘルプデスク対応
  • 社内インフラの整備・IT資産管理
  • PC・周辺機器・物品の調達
  • システム導入・運用・保守
  • 情報セキュリティ対応

ヘルプデスク対応

社内のユーザーからの各種問い合わせに対応します。内容は、PCの不調や各種システムにログインできない、使い方がわからないなど多岐にわたりますので、それらの問い合わせに対し、改善策をご案内します。

トラブル対応の例

  • パソコンが重い
  • スマートフォンが繋がらない
  • パソコンでSaaSにログインできるのに、スマートフォンではログインできない
  • ネットワークに繋がらない
  • 基幹システムに入れない
  • etc…

社内インフラの整備・IT資産管理

社内ユーザーの各SaaSやシステムのアカウントの発行や入退社時のメンテナンス、さらに、Wi-Fiやルーター、スイッチ、サーバーなどの社内機器に関して導入、運用、保守をします。

さらに、サーバーや機器のIPアドレスや各種パラメーターの管理も対応します。

IT資産管理の例

  • 会社のスマートフォンやパソコン、ルータをはじめとしたネットワーク機器、サーバーなどITに関連するあらゆる資産を管理する
  • 各SaaSのアカウント管理も含まれる
  • 会社が契約しているツールやソフトに年間どのくらいのコストがかかるのかの管理
  • 削減できるポイントはないか・具体的な施策の提案と遂行

PC・周辺機器・物品の調達

PC・スマートフォン・周辺機器・OA機器の選定、予算どり(稟議)、発注、などの調達業務となります。

調達の例

  • PC・スマートフォンの機器選定→予算どり→発注→納品
    (予算や見積もりなどでベンダー折衝が発生します)
  • 組織のネットワーク機器の選定→予算どり→発注→納品
  • 組織のOA機器の選定→予算どり→発注→納品

システム導入・運用・保守

このタスクはコア業務とも呼ばれ、社内の基幹システム・RPA・SaaSの選定、導入、運用などが含まれます。SIerや各種ベンダーとの折衝も含まれます。

コア業務の例

  • 社内の基幹システム・RPA・SaaSの選定、導入、運用
  • 上記に伴う社内調整(予算とやりたいことの兼ね合いを調整する)
  • 上記に伴うベンダー折衝(相見積もり→発注→開発→納品→導入→運用)

情報セキュリティ対応

ISMS情報セキュリティ統制や監査などが含まれます。

情報セキュリティ対応の例

  • ISMSの推進
  • 業務でクラウドサービスの利用を許可するかどうかなど、SaaSの許可不許可のポリシー策定・運用
  • 組織からのアクセスを禁止するWebサイトを設定するかどうかなポリシーの策定・運用
  • 情報リテラシー向上のための勉強会開催など
  • 情報リテラシー向上のための教育ソフトの選定→導入など

このセクションは以下の記事と書籍を参考に記載しました。

【参考記事】
>> 情シスの仕事内容まとめ/情シスになる方法/コーポレートエンジニア/社内SE


【参考書籍】
>> 基礎からのIT担当者リテラシー


社内SEに必要なスキルとは?


主なスキルは以下の通りです。

  • オールラウンドなITスキル
     ・基礎的なプログラミングのスキル
     ・ネットワークやセキュリティに関する知識
  • 上流から下流までのシステム開発・運用スキル
     (業務システム・基幹システム・RPAなどの運用・保守経験)
  • コミュニケーションスキル・ヒューマンスキル

オールラウンドなITスキル

基礎的なプログラミングのスキル

社内SEの業務範囲はIT全般なので、開発経験(プログラミングスキル)がなくてもなんとかなります。でも、プログラミングの知識はあったほうが良いです。

理由は業務を効率化したり自動化したりするのにとても役に立つからです。言語はなんでもよくて、処理・条件分岐・繰り返しができれば良いかと。。

また、プログラミングのスキルがあると、ベンダーと折衝する際や、エンジニアと会話する際に話が通じやすくなります。

独断で選ぶ社内SEにおすすめの言語

Google Apps Script(GAS) 【利用例】
・GASでスクリプトを書いて自分宛にGmailが届いたらSlackに通知
・Google ChatにBOTを作り、ユーザー向けの情シス案内BOTを作成
・Google Sheetのメンバー表を読み込んで、Slackに今日の日直を通知
etc…
Windows bat ・WindowsのPCで色々と業務効率化が可能
・トラブル時のログを取ったり、アプリを起動したり
・MDMツールから遠隔でバッチを流し、リモートPCのソフトウェアを自動アップデートしたり
※Windows Power Shellの使えれば、さらに心強いかも。。。
Zsh(Mac) ・Mac のキッティングをしたり、トラブル対応をしたりする際に活用
・MacはLINUXベースなので知ってる人が多いかもです
※Bashが使えれば大丈夫です
SQL ・データを分析する時に、知っているととても便利です
・SQL(簡単なデータ解析)の知識があると、論理的で数値に基づいたトークができます
エクセルマクロ ・エクセルを使う環境なら、こちらを知っていると業務効率化がかなり進みます
Python ・PythonはWEB上のデータを収集(スクレイピング)するのに便利なライブラリがあります
(Requests、Beautiful Soup、Selenium、Scrapy)
・そのため、Pythonを使いこなせれば、情報収集が早くなります
※もちろん他の言語でも大丈夫です。

ネットワークやセキュリティに関する知識


社内ではネットワーク系のトラブル(Wi-Fiに繋がらない、サーバーに繋がらないなど)の申告が結構な割合でありますので、ネットワーク・サーバー系の知識があれば重宝されます。

またセキュリティアプリを含めた、SaaSのシステム導入/運用/保守(アカウント管理などを含めて)に何かしら関わった経験があれば心強いです。

さらに、予算どりやベンダー折衝経験、あとは実際にネットワーク・サーバーなどを設定した経験などがあれば、かなりいい感じです。


よく利用されるSaaSの例

・Azure AD
・Google Workspace
・Microsoft365
・Microsoft Intune
・Jamf
・Cisco アンブレラ
・Kintone
・OBIC
・Salesforce
etc...

上流から下流までのシステム開発・運用スキル

世の中には様々な業界があり、その業界スタンダードの業務システム、基幹システム、RPAなどが存在します。同業他社に転職した場合などは、それらに通じていれば重宝されます。さらに、システム導入/運用/保守などに関わったり、ベンダーと折衝したりした経験があれば、さらに心強い経験になります。

具体的には、業務システム・基幹システム・RPAなどの運用・保守経験といったものになります。

理由は業務システムに関する問い合わせに対応したり、社内向けに操作手順書を作成したり、勉強会を開催したりなどのタスクが定期的発生するため、上記の経験が生かせる場面が多いからです。


コミュニケーションスキル・ヒューマンスキル


社内SEは社内ユーザーのサポートも需要なタスクなので、ヘルプデスク時にユーザーに寄り添ってトラブル解決をしたり、時には「できないものはできない」とできるだけ穏便に伝えたりする機会が多いです。

ユーザーはITの専門家ではないので、症状を的確に言語化できない場合もあります。その時は適切なヒアリングをして解決に導けるようなヒューマンスキルは重宝されます。

また、各種システムなど導入の際はステークホルダーとの折衝やベンダーとの折衝が必ず発生しますので、折衝能力も重要なスキルになります。


未経験から社内SEになるための手順

  • 今の仕事の中でIT関連部分を探す
  • 今の仕事の中でIT関連以外でのアピールポイントを探す
  • 自分の知識・能力の棚卸が終わったら足りない部分をインプットする

今の仕事の中でIT関連部分を探す

今の仕事でIT関連部分を探しましょう。なければ実績を作りましょう。特に、業務効率化などは今日から対応可能です。

非ITメンバーのIT関連業務例

  • 人事総務経理系が専門だが、社内ヘルプデスク(PCやネットワーク、システムトラブルを対応している)
  • 営業・マーケティング担当だが、SQLを利用してユーザー分析を行なっている
  • エンジニア以外の業務だが、エクセルマクロやWindowsバッチを利用して業務効率化を行なっている
  • ヘルプデスク担当だが、Microsoft365やGoogle Workspaceなどのサポートを行なっている
  • エンジニア以外の業務だが、システムの導入に関わったことがある(ベンダーの折衝なども経験した)

今の仕事の中でIT関連以外でのアピールポイントを探す

  • 複数の案件でPDCAサイクルを回した経験をアピールする
  • 業界・業務知識をアピールする
  • 転職サービスやエージェントを効果的に利用する

複数の案件でPDCAサイクルを回した経験をアピールする

社内SEは経営とちかい部分があります。理由は予算を気にしながら業務を薦める必要があります。

例えば、社内でテレワークメンバーが増えたため、VPNが足りなくなり、別なセキュリティの仕組みを導入する必要があるため、本来ならMicrosoftのAzureADを含めた一連のセキュリティアプリを導入したいが、予算の関係で難しいとします。

このような場合は、既存のVPNを延命させながら、同時にSWGを導入して、最低限のセキュリティを確保しつつ、Azure ADの導入を検討するなど、複数の案件を同時並行しながら、予算も考慮しながら業務を進めていく必要があります。

そのため、上記のような複数の案件で同時にPDCAを回した経験があれば、アピール可能です。


業界・業務知識をアピールする

業界の深い知識や業務経験は事業会社の社内SEにとっては、必要なスキルになります。理由は利用している基幹システムなどが、業界標準である場合があるからです。

そのため、ある業界に特化したシステムを非ITメンバーですが、手順書を作ったり、運用したりした経験などは、同業他社の事業会社の社内SEに転職する場合などにアピール可能です。


転職サービスやエージェントを効果的に利用する

社内SEに転職したいが、自分のスキルのどの部分が生かせるかわからない。。そんな時は転職のプロに相談してしまうのが効果的です。理由は無料で良質なプロのサービスを利用できるからです。

転職エージェントは一般のサラリーマンと比べて圧倒的なサンプル数と案件に関する情報を持っていますので、利用しないてはありません。リスクはありませんので活用してみてもいいかもです。


自分の知識・能力の棚卸が終わったら足りない部分をインプットする


社内SEになる手順や必要なスキルが分かった。

自分の経験を棚卸しして、生かせそうなIT経験、非IT経験も分かった。

でもIT関連の知識(基礎的なITリテラシーやプログラミング知識)で足りない部分があるので、社内異動や転職準備の一環で足りない部分をインプットしたい・・・

そんな場合は、今の会社に勤めながらプログラミングを学ぶ方法があります。

なお、プログラミングは独学でも学習可能ですが、初学者が学習する場合は独学だと高い確率で挫折します。


プログラミング初学者が高確率で挫折する理由

・学習フェーズがわからない(基礎学習 → ポートフォリオ作成などの実践的な学習)
・学習フェーズごとの適切な教材、選ぶべき技術スタックが分からない
・学習フェーズごとの適切な学習時間・深さが分からない
・プログラミング学習の学習ゴールが見えない
・環境構築が分からない
・テキストやネット情報の通りにコードを書いても永遠にエラーが出る
・やがて自分には向いていないと思い込む
・学習を諦める。。。

上記の様な感じで初学者の多くがプログラミング学習を諦めます。

コードを書いてもエラーになってエラー対処に時間がかかったり、環境構築で悩んだりするのは現役エンジニアも一緒なのですが、現役エンジニアの場合はGoogle検索などで自己解決するか、周りのエンジニアに対処法を聞くことができます。

でも、初学者は引き出しがまだ少ないため、Google検索の際に適切なキーワード選定ができずに自分が知りたい対処に辿りつけず、エラーの自己解決が難しかったり、周り聞ける環境がないため、辛いです。

なので、挫折せずにプログラミングを学びたければ、有料無料に関わらず、周りに聞ける環境があると良いかと。

その点を考慮すると、本気で学びたい場合はスクールやオンラインコミュニティのサービスを検討するのも一つの方法です。

以下にいくつかご紹介します。

N予備校 ・ドワンゴが提供する月額1000円程度で学べるオンラインの講座
・コスパは神レベルだと思います
・筆者も利用しました
・サポートもありますが、独学向けかと
侍エンジニア ・比較的リーズナブルに学習が可能です
・Ruby、PHP、Pythonなどの初学者にとって学習情報が多い主要な言語をカバーしています
オンラインコミュニティ ・MENTAやオンラインのプログラミング学習者むけコミュニティを活用する
・現役エンジニアのサポートを受けることが可能です
・プログラミングスクールよりもお財布に優しいです

自分の知識・能力の棚卸が終わったら足りない部分をインプットする

学習が軌道に乗ったら、アウトプットしましょう。やり方は以下の通り。

・ブログを活用する(アウトプット型の学習をする)
・どうせならWordPressでブログを作成し収益化する

ブログを活用する

新しい技術をインプットして定着させるためにブログが有効です。理由はアウトプットを意識して効率的に学習ができるのと、転職時のポートフォリオとして利用でき、他の候補者と差別化できるからです。

そのブログ記事のURLをスキルシートに記載することで、新しい技術に前向きな点や、ドキュメント化に前向きな点を評価していただくことができます。

ブログはWordPressで作るべきかQiitaなどで作るべきか→どうせ作るならWordPressのブログで収益化を狙うのもアリ。

自分やりたい方向性に応じてどちらブログを選ぶか決めれば良いかと。

学習のアウトプット・アフィリエイトなどの収益化・自分のブランディングを同時に目指すならWorkPressで独自サイトを作るのが良いです。

一方、ブログはアウトプットとブランディングのみに割り切り、収益化を目指さないのであれば、QiitaやZENNなどのテックブログの方が、SEOが優秀なため初動から多くの人に読まれます。

また、一旦QiitaやZENNでブログを作成して運用し、その後収益化をしたくなったら、別途Word Pressで独自ブログを作って、そちらに記事を移すことも可能(301転送を利用)です。

【参考記事】
>> 【手順】WordPressを使ってブログやホームページを始める手順
>> 【手順】ConoHa Wingサーバーを利用してWordPressでブログを作る手順

【ZENNとQiitaはこちら】
>> ZENN
>> Qiita


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